理学療法士になりたい中3受験生に伝えた話 | こてこてぽっかのみらいぶろぐ

理学療法士になりたい中3受験生に伝えた話

2021.12.29 / 就労就職, 筆者の話

大学時代の先輩が、教育関係の事業をしているのですが、その先輩から理学療法士になりたい子(Aちゃん)の悩みを聞いてほしいとのことで依頼を受けました。

Aちゃんは、今年の春に商業高校に進学予定で、卒業後は理学療法士として、将来誰かの成長を助ける仕事に就きたいそうなんです。(そんな想いを持っているだけで合格・・・涙)

Aちゃんは、そんな人生で良いのかと漠然とした不安を抱えているようで、私は高校・大学からその後の人生が楽しくなるような話が出来たら良いなと思って準備をして臨みました。

 

Aちゃんからの質問内容

・どういう内容の仕事?

・なぜ目指したんですか?

・やりがいありますか?

・どうやってなったんですか?

・楽しいこと、大変なことはなんですか?

今回前もって以上の質問をもらっていたので、ブログには誰でも共通する話を抜粋してお届けします。

 

理学療法士は「動き」のプロ

理学療法士は「動作」のプロ。患者さん(お客さん)の理想像に対して「動作」という観点からサポートする仕事。

例えば、

寝返りがうてない赤ちゃんが正常な発達をして成長するために、どんな遊びを取り入れたら良いか考えて一緒にやる仕事。

あと2秒速く走れるようになりたい選手に、今の動作をどこをどう変えたら良いか指導し、そのために必要なトレーニングを組む仕事。

脚をもう少し細くしたいお姉さんの、姿勢の歪みを見つけてあげて、痩せやすい生活習慣を伝える仕事。

術後一刻も早く退院して職場復帰したいお父さんが、元の生活に戻るために体力を戻すことを手伝う仕事。

痰が絡んで呼吸が苦しいおばさんに、肋骨の動きを柔らかくする体操を指導したり、実際に肋骨を動かしやすくマッサージしてあげる仕事。

喫煙所まで歩けるようになりたいおじいちゃんと、歩行器を選んであげて一緒に歩く仕事。

 

理学療法士はこども園、病院、スポーツセンター、近所のデイサービス、在宅、民間サロンと色んなところで働いてる。誰かの理想を「動きのプロ」として叶える職業が、理学療法士さん。

 

楽しいことは?苦しいことは?

「誰かの理想を動きのプロとして叶えたい」と思っている人にとって、楽しいことだらけの仕事だと思う。

動きに関する知識を身に付けるだけでなく、医学全般を学べるし、実習先も沢山の中から選べる。先輩も熱心な人が多いから、なんでも聞いたら教えてくれる。理学療法士協会が研修を開いていて常に新しい技術を身に付けられるし、職場内勉強会・症例検討会も盛んだから、全てが楽しいと思う。

 

特別これが苦しい!てのがあるわけじゃなくて、「資格持って楽に働きたい」「定時で帰りたい」「高給取りになりたい」「結婚するまでの腰掛け」と思っている人にとっては、さっき話した楽しいことは全部苦しいことになるって感じ。

実習辛い、先輩うざい、研修面倒、勉強会出たくない…「動きのプロ」になりたくない人にとっては、苦しい職業だと思う。

 

なぜ目指したの?

実は私は中学生の頃から「心のプロ」になりたくて。「動きのプロ」には興味なかったんだよね。

でも心のプロの学部に落ちて、理学療法学専攻に受かったからたまたま動きのプロになっただけ。

だから社会人になってから病んで、大変で…(笑)今は心のプロとしてやり直して生きてるんだ。

 

プロになるために決めなきゃいけないもう一つのこと

Aちゃんは「動きのプロ」になるって決めたから、高校生活はその学校に入るための勉強が出来たら良いと思う。理科と数学頑張ってね。

でも実は大学に入ったら動きのプロになるための勉強だけじゃなく、もう一つ決めなきゃいけないことがあるんだよね。

それが「誰に対するプロになりたいか?」という観点。

 

おじいちゃんおばあちゃんに対する動きのプロになりたいのか。

子どものプロ?スポーツ選手のプロ?術後の患者さんのプロ?ダイエットのプロ?

 

お医者さんも外科・小児科…と分かれているように、私たち理学療法士も専門が分かれる。

だから、大学4年間の勉強や実習を通して「誰に対する動きのプロになりたいか?」ということを決めていく必要がある。

 

「宮崎は転職何回もしてたよね」by先輩

そうそう、宮崎はこの「誰に対する」「何のプロか?」という掛け算をミスり続けて(笑)

 

一社目は「入院の高齢患者さんに対する」×「呼吸器の動きプロ」

誰に?が間違えてるのかなぁと思って二社目に転職した。

 

二社目は「企業に対する」× 「問題解決のプロ」を目指しました。

入って一瞬で気付きました。私は目の前の人を元気にしたいんだと。

 

三社目は「在宅高齢者に対する」×「生活動作のプロ」を目指しました。

利用者さんの健康に幸せな生活をサポートするという観点は自分には合っていましたが、「誰に」の部分がどうしても「高齢者」ではありませんでした。

 

私が笑顔にしたいのは多分、中学生から社会人にかけての人で、生きるエネルギーをどこに持っていったら自分らしく生きれるかわからない人をターゲットにしたかったんです。(だから塾講師も、今の仕事も長く続いてる)

 

人生に手遅れはない

私は社会人6年目。自分の望むプロの姿とは全然違う大学に行って10年も紆余曲折してやっと見つけた自分のやりたいこと。

だから15歳のAちゃんが、今から遅いなんてことはない。

人生何歳からでもなんとでも楽しく生きれるってことを、私を見て感じてくれたら嬉しいと思う。


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