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カテゴリー:訓練の様子をご紹介

チームで働く力を鍛えよう②~グループワークの実践と振返の紹介~

こんにちは!支援員の宮崎です。管理者の入院にともない代理で行った集合プログラムのお話を紹介していこうと思います。

2日間日程で「髙木さんに私たちができることを考えてやってみよう」というテーマでみんなで考えました。本当は2日間かけて実際に制作するところまで行う予定でしたが、急きょ2日目は1日目の振返の時間にしました。

今日はその振返の内容をご紹介します!社会人基礎力をベースにした、働く上で重要な観点を解説できたので、今働くことにしんどさを感じている人もぜひ読んでください。

1日目の様子はコチラから読むことが出来ます!

自分たちで振り返りしてみよう

まずは自分たちで自由に振り返ってもらうことにしました。「もっと~すれば良かった!」と思うことを中心に自由に意見を出し合ってみました。

利用者さんたちの振返

□話し合いのときの役割分担をすれば良かった

□予め前提を聞いておけば、方針間違えがなかったのかも

□ゴールを決めておけばよかった

□「文房具自由に使ってね」と言われたときに「制作」を意識出来たら良かった

□支援者を巻き込もうとして、バタバタしてしまった…

□1,000円で物品購入ってよく考えたら予算が少ないと思う

□100均に売ってなかった時の対策を考えられてなかった

□自分が入院したときもらった物品のことが頭にあって、それに考えが引きずられてしまった

□自分は感謝を贈るものだと思ってた話してたから、しばらく話の流れが理解できなかった

□モヤモヤはしてたけど、うまく言葉にできず、実質他の人に丸投げ状態になってしまった

などなど、色々振り返ったら沢山でてきました!いつもはみんな個別プログラムで個々人で振り返りをしてもらっていますが、こうやって全員で振り返りしてみると、他の人の振り返る視点も参考になって、奥行きのある振返ができたと思います!

ここからは、支援員から見えたフィードバックを行っていきます

①今回の目的は?

一番大事なのが目的だよと伝えていますが、今回の目的はなんだったでしょうか??1日目のホワイトボードを見てみましょう。ここで違和感を感じた方いますでしょうか?

そしたらレジュメを見てみましょう。

お気づきですか??

…目的が変わってる!?!?笑

本来の目的が忘れ去られていて、いつの間にか、似て非なるものに変わっていました(驚)

今回は、そんなに意味は変わらないかもしれないですが、仕事なら目的違いはとてもヤバい。だって初手から間違えるから。

「サブの支援員さんが話していたことの“安心”って言葉だけ切り取って使っちゃいました…」

サブの支援員は「目的は安心させることだよ」と言ったわけではないので、やっぱり会話の一部を切り取って張り付けるのは危険ですね。

どうすれば良かったか?

もしレジュメ(依頼書)に書かれた意味が分からなかったら、レジュメ作成者に聞いてみたら良いと思います。今回だと「治療に励む支えってなんですか?」みたいな感じで。

自分たちで「治療に励む支え=安心」と解釈したとしても、少なくとも確認できたら良かったかもしれないですね。そしたらその場で「え、安心してほしいわけじゃないんだけど」と返事が返ってきたかもしれないです。

もしかしたら、初めに目的をみんなで確認していたら、早い段階で方針が、物品購入ではなく制作に固まっていたかもしれないですね!

②どんな計画をイメージしてた?

今回は何を贈るかで1時間、その他準備で1時間使っていましたが、はじめに4時間もらった段階で、どんな計画をイメージしていたでしょうか??

そして仮にはじめの1時間を計画・準備時間として使えたとすると、何をどこまで計画できたら良かったかイメージできましたか??

どうすれば良かった?

#計画力

まずは何を贈るか決めてから、4時間の使い方を決める時間を取ったら良かったと思います。準備(前処理)で何が必要で、主処理は誰が何を担当して、終了処理はどこまで必要か?まで考える必要があるということを意識で来たら、何を贈るかで1時間使い切らずに済んだかもしれません。

↓計画力については前回の人生ゲーム作りのブログをご参照ください↓

ちなみに1時間あっても1時間まるまる使う計画は立てない方が良いでしょう。何が起こるかわからないので、何割かいざということに使える時間があったら良いと思います。(今回は60分の中を10分休憩&5分余りで実働45分で計算しました↓)

#計画が思い通りに行かない時…

次に、贈り物を決める時間が15分だったとして、もし決まらなかったらどうしたら良かったでしょうか?

これは支援員にヘルプを出したら良かったです!15分の時点で決まらなかったら、カンニングをする。15分の段階で「タオルを贈るための予算ではないよ」「制作物としてできることを考えてみよう」みたいなヒントをもらえて、早い段階で軌道修正できたかもしれません。

これは仕事ではめちゃくちゃ大事な観点で、怒られ防止に非常に役に立ちます(笑)私も経験ありますが、ギリギリになって全然できてない状態で相談されても、上司は困ります。「なんでもっと早く言わなかったの?」と言われたことのある人は少なくないのではないでしょうか??

えさかでは「報連相の1-5-8の法則」と呼んでいて、仕事時間の1割の段階で相談する(ないしは方針を連絡する)ことを意識しています。もし困ってなかったとしても初手の方向性を上司と合わせておくことで、後々進んでからの大幅な軌道修正がなくて済みます。ぶろぐにも書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

まとめると

4時間全体を通した計画を立てたら良かったね

タイムリミットを設定した計画を立てたら良かったね

タイムオーバーしたときに支援員にカンニングしたら良かったね

③何を贈るか決める方法

今回の贈り物の選び方ですが、色々案を出した後にみんなで多数決を取っていました。でも実際はスッキリ決まらず何回も多数決をして、結局時間もかかってしまいました。

多分、①目的が定まっていなくても、②計画を立てていなかったとしても、贈り物がささっと決まる方法がありました。それをご紹介します。

どうすれば良かった?

単刀直入に言うと、軸を決めて順位付けしたら良かったと思います。

↑イラストで描いたら一発ですね。今回は例として3つの軸を挙げました。

(1)目的が達成されるかどうか

(2)手間がどれくらいかかるか(納期に間に合う度)

(3)コストはどれくらいかかるか

物品購入は店を決めたり、買いに行ったり、選んだりする手間が多い上に、予算もかかってしまいます。

逆に引用RTは髙木さんが日頃からやってもらって嬉しいこととして挙げている上にコストもかからず、出掛ける手間もかからないので集中できそうですね。

こう考えると、上記方法を知っておけば、目的を確認していなくて、タイムリミットを考えてなかった1日目の状況でも、早い段階で贈るものを決めて、実行に取り掛かれたかもしれません。

チームで働くときに活かせる社会人基礎力

かなり長文になってしまいましたが、主にフィードバックした3つの観点でした。今回は目的意識、規律性、働きかけ力、計画力、課題発見力、状況把握力について振り返れたのかな。

今回はポンコツ上司の業務依頼をもとに動く模擬業務みたいな感じになり、かついつもより長い時間&濃い内容で振り返りができたような気がします。

講座や本で学ぶことって、イマイチ腹に落ちなかったり、自分の行動と照らし合わせて客観的に分析することがなかなかできないけど、実際にやってみると、気付くことがあったり、学んだことの使い方が具体的に理解できると思います。

えさかは自立訓練(生活訓練)ですが、健康・生活を整えることはもちろんのこと、上記のようなグループワークを通じて、社会適応に向けた実践的な練習も出来る場所です。

うつや発達障がいで退職してから、働くのが怖くなってしまった方などにぴったりだと思います。ぜひご興味ある方は随時見学会を開催しているので、いつでもお問い合わせください。

自立センターえさか

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