集合プログラム「共同制作」~目的意識、あるけど何が違うのか?~
今週の集合プログラムでは、えさか新聞を制作しました!
10月からやってきて3回目の新聞制作になります。
自分たちの制作物を読んで一緒に訓練したいと思ってもらえるように作ろう!という目的の下で、twitterに掲載して見てもらうということ、21日・22日の2日間4時間で制作しました。
今回のブログは(制作してくださった利用者さんには申し訳ないのですが)何かがしっくり来ない!(利用者さん達もそう思っていたはず)
「新聞が何かしっくり来ないとしたら、何が足りないんだろう?」という観点でお話していこうと思います。
どの仕事にも共通する話だったので、仕事でお困りの方もぜひ読んでいってください。
私たちは自立センターえさかで学び社会適応軸を伸ばす訓練をしています
1年でできるようになった事を新聞にまとめました
今しんどい想いしてる人
頑張ってもうまく行かない人はぜひ読んでください#発達障害 #睡眠障害 #しんどい#場面緘黙症 #発達障害・就労 https://t.co/IyR6VogOMQ pic.twitter.com/skRn2EhOzL— 【えさかでリワーク】自立センターえさか スタッフ (@esaka_staff) December 22, 2021
実際の新聞はこちら↓
Contents
目的を忘れているわけじゃないのに…
振り返りの時間では、
「利用者になりたい人を増やすという目的を忘れているわけじゃないのに、なぜかしっくり来ない。」
「決めなきゃいけないことを忘れていて、いつも後付けで決まる感じがする。」
「なぜそのデザインにしたのか?の根拠が浅い気がする。どうしたらしっくり来るか。」
という話が出ました。
確かに、制作時間中「利用者を増やす」ということを意識して作っているように見えますし、「○○だから~というデザインにしよう!」という根拠を掲げて議論できている気がします。
ただ、何か物足りない気がするのも確かで…
では具体的に何が足りないのでしょうか?
ストーリーが足りない
利用者さんの制作に足りなかったものは「ストーリー」なのかも?と考えました。
目に留まった人がどういう流れで利用まで繋がるか?という相手の動きが想像できていない可能性を考えました。
例①自分たちの変化を伝えて私も!と思ってもらいたい場合
例えば新聞から参照して、「私たちが一年で変わったこと」を知ってもらうことで、自分も利用者になりたいと思ってもらおうと狙う場合を考えてみましょう。
beforeの状態を見て「え、私も同じ!」と共感して目に留めてもらう
↓
afterの状態を見て「え、こんな風に変われるってなんで!?」と本文を読んでもらう
↓
本文の中に、自立訓練の内容が書いてあって「私もやってみたい」と思ってもらい
↓
ツイートの中にあるWebサイトのリンクに飛んでもらう
↓
見学会ページから申込が来る
という流れを想定します。そしたら、新聞のレイアウトはbefore・afterを目立つように書いたら、見てくれる人がいるかもしれません。
例②利用者の生の声を届けたい場合
今回は「誰かに伝えるということはお手紙だから、お手紙っぽいレイアウトにしたい」ということで、このレイアウトになったそうです。
お手紙を読んでもらうためには、「え、これって私に向けて書かれているの?」と思ってもらえるように、宛名「○○な人へ」を大きく書いて、目に留めてもらえるようにしたら読んでくれるような気がしますね。
あと便箋というより、罫線ノートという感じがしてしまうので、紙っぽさを出すために影を書いたり、便箋らしくぴちぴちに書かずに、周りに縁取りをするとそれっぽさがより出るかもしれません。
また、今回の利用者さんが書いた記事を読んでいったら、利用者さんの不安な気持ちが沢山書いてありました。「不安な方へお手紙を書きました」と書くだけでも、似たような不安を持っている人が見てくれそうな感じがしますね。
例③ズレを解消したら元気になったことを推したい場合
新聞に書いてある「頑張っているけど、まだずれていて苦しんでいる人へ」を活かす場合、ズレを解消することで元気になったことを伝えたら、ズレている人が見てくれるかもしれません。
「私もこんなズレあるわ…」
「え、ズレって変えられるの?」
「なら私も変えたいけど…自立訓練??なんだろう?見学会でも行ってみようかな」
と、読んだ人が動いてもらえることを想像すると、「ズレ」を強調することで、目に留めてもらえるような気がします。
相手のストーリーを想像すること
ただ「利用者を増やすためには○○したら良い」という式を作るのではなく、「この言葉が目に留まったら、次にこの文章にこう感じてもらうと、ここのリンクをクリックして見学会に申し込む!」というストーリーを作ることで、計画が上手くいかなかったり、後付けでグダグダになることがなくなると思います。
点ではなく、線で考えるといった感じでしょうか。
逆にそのストーリーさえあれば、決めていなかったことがあっても「そのストーリーに合うかどうか?」で判断したら良いので、脱線も少なく、脳の浪費も少なくなりそうです。
これは新聞づくりに限った話ではない
一見、利用者を集めるためのただの戦略・新聞づくりの定石に見えるかもしれませんが、これは意外とどの仕事にも共通することがわかります。
例えば、人に何かを依頼するときも、相手がどのように動くかというストーリーを想像することで、伝えることがまとまらないことが減ります。
プリントのコピーを依頼されたとしたら、「コピーした紙はその後どのように使われるだろうか?」と想像することで、穴を開けておくのか、机に置いておくのか、手渡しなのか、重ねておくのか、など色々変わってきますよね。(怒られることも減りそう)
人と働くというのは、自分対同僚、もしくは自分対顧客といった、別々の人間のストーリーがちょこっと重なることの繰り返しで成立しています。そこに意識を向けるようになると、普段見えなかったことが見えるようになり、働きにくさも減ってくる気がします。
ぜひ、何事もストーリーを想像してみることを、試してみてください。