通う前に知って欲しい「就労移行」の話
こんにちは。支援員の宮崎です。
最近相談に来られる方の多くが
「社会復帰しようと思ってとりあえず就労移行に行った」
と話してくれます。
でもそのほとんどが
「なんか違うなぁと…で結局行けずに辞めちゃった」
という結末ばかり。
元自立訓練の利用者で現支援員の宮崎的には「この人は就労移行じゃないでしょ」と思う人ばかりです。
今回は登録する前に知ってほしい就労移行のお話をちょこっと書いてみました。
(あくまで宮崎の個人的意見です)
社会復帰を目指す人は就労移行じゃない
結論から言いますと、社会人経験のある人は就労移行ちょっと待って!
他には
□普通に大学まで出て社会人経験がある
□国家資格を持って働いていた
□大人になって発達障がいの診断を受けた
□うつで仕事を辞めてしまった
など、つまり社会復帰を目指す人は就労移行じゃない事業を検討した方が良いかもしれません。
なぜそう言えるのかは、まず就労移行の設立の経緯を理解したら分かりやすいと思います。
そもそも対象者が違う
就労移行は「一般企業に法定雇用を守ってもらうために、障がい者を働けるようにしよう!」という意図で作られたもの。
ざっくり言うと社会経験がない人に就労してもらうことを目的とした障害福祉サービスなんですよね。
そのため元々の対象者は、例えば学校を卒業してから働いた経験がなく20年引きこもっていた人や、支援学校に通っていた人。
そういった方が、障害者雇用として働けるようになるために、社会勉強をするところが就労移行のはじまり。
言わば、障がい者として適応していく方法を身に付ける場所みたいな感じですね。
訓練内容も違う
社会経験がない人に就労してもらうための福祉事業だから、
多くの就労移行のプログラムに
・ビジネスマナーが入っていたり
・上司の指示をメモを取る練習(SST)があったり
・履歴書の書き方、面接の受け方講座があったり
・基本的なパソコンスキルを身に付けるための講座があったり
・実際の職場を想定した軽作業やデータ入力の練習(実習)があったり
・もう少し頑張りたい人向けに資格を取れる講座があったり
するわけです。
今でこそ働けなくなった人の社会復帰を対象にしている事業所が多いですが、訓練内容はどの事業所もこんな感じとなのは、前述の対象者の違いによるところから来ているんですよね。
前述したような大卒や元々働いていた人にとっては既習事項になるので、「こんなことして意味あるのかなぁ」と感じてしまうのも当然っちゃ当然なんですよね。
卒業先も違う
元々が企業の法定雇用を達成したいという経緯があるので、卒業先は障がい者雇用を想定しているのが基本です。
事業所の伝手のある障がい者雇用の卒業先をいくつか提案してくれるか、ハローワークで自分で探してくるんだと思います。
「障害者として一生生きていくの…?」
「病気や障がいに関係なく働きたいだけなのに!」
という思いを持っている方は、事業所と卒業先の件で一悶着?になることがそこそこあるみたいですね。
一般参入が多すぎる問題
もちろん「障害者雇用にとらわれずに、クローズ就労もサポートします!」と謳う事業所や支援員さんも沢山あるでしょう。
でもそこまで持っていける支援力のある母体と支援員と出会える可能性はガチャ同然ですよね。
最近の就労移行は事業の参入障壁が低く、福祉でも医療でもない別業種の経営者が売り上げを見越して障害福祉サービスを立ち上げていることが本当に多い!!!
(元々の「社会経験のない人に就労を」という原型すら留めていない素人福祉が超多い。)
経営者:お金のことしか言わない(経営目線)
サビ管:福祉の人(福祉目線)
支援員:サビ管と経営者に板挟み(辞めたい)
みたいな構図は結構あるあるみたいですよ。
キラキラ事業所増えてるよね
□駅近・カフェ空間
□交通費無料
□昼食支給
□工賃あり
□就職率90%超!
みたいなキラキラ広告が増えたのは、そういった参入背景があるからなんです。
目に見える良さそうな条件に踊らされる前に、
自分がなぜ働けなくなったか、どうやったら働けるようになるか?をしっかり解明して、安心して社会復帰ができる根拠のある支援を受けて欲しいものです。
もう一度考え直してみる
働きたいからとどこでも良いから通ってイケるもんではありません。
急いで登録したけど結局行けなくなって…という利用者さんを何人も見て来ました。
もう一度
□なんで働けなくなったのか?
□今は何に困っているのか?
□自分は何を知りたいか?
などを改めて書き出してみて、それを解決できるサービスを探してください。
もし良い事業所選びが分からなければ、無料相談に一度お越しください。
一緒に自分の困りごとを棚卸して、あなたにあった事業所選びをサポートします!