高木の生活訓練から学ぶ、どこでも選ばれる自分になる秘訣
今日は高木さんとの日々のリハビリであった話で、自立訓練の目標設定の話にとても参考になると思ったので、ご紹介します。
「1ヶ月後に歩行器を返したい」と言った高木さんに、宮崎が伝えた話をまとめました。
Contents
歩行器を12月4日に返したい。
9月4日に大動脈解離による大手術をして、9月30日に退院してきた高木さん。
10月4日から歩行器をレンタルして着々と体力作りと右足のリハビリに取り組んでいますが、11月になって「月末には歩行器を返却したい」という想いを話してくれました。
どの状態になったら返却できると思う?
リハビリ熱心な高木さん。
10月頭には40分かけて何度も何度も休憩して、汗だくになりながら歩いていましたが、11月になった今は、20分ほどで休憩も取らずに歩けるようになりました。(もちろん歩行器を使って)
今は屋内移動は何も持たずに動けますが、屋外歩行は歩行器がないとちょっと不安な高木さん。200mくらい外を歩くとちょっとフラフラしちゃうそうですね。
11月末に歩行器を返すためにはどんな状態になったら良いと思いますか?
歩行器を返した生活を想像する
まずは歩行器を返した生活を想像してください。
基本的に屋内は独歩、屋外は杖歩行。荷物を持つのも今は歩行器に入れたら良いけど、買ったものは手で持ったり、背負う必要がありますね。
体調が悪くても、座って休憩はいらないくらいの体力が必要です。
雨の日も歩いて会社に出ます。カッパ着て杖か、傘と杖の両手持ち?
暗かったり、人通りが多いところは、歩行器はみんなが避けてくれますが、杖歩行なら通行人からぶつかられる可能性も高くなります。
ふまえると「基本は何も持たずに動けるよ!お守りがわりに杖も使うけどね」ってくらいになって初めて、歩行器を返却しても大丈夫と思って欲しいです。
月に1回、すっごい調子悪いときに歩行器使うかな、使わなくてもいけるかな、ってくらいになって初めて歩行器が返却する選択肢が出てきます。
歩行器を使っていない実績が必要
歩行器を返却するには、歩行器を使っていないという実績が必要です。
「使ってないから大丈夫です」という実績を掲げて初めて、周囲の人も安心して返却を賛成できます。
「まだ使ってて、不安もあるけど、お金も勿体無いので返します」じゃ、正直隣で毎日歩く人間にとっては不安です。「返却するけど、何かあったら助けてね」と言われても周りは困ります(笑)
歩行器を返したい気持ちも、歩行器なしで歩きたい熱意も、あっても良いですけど、それじゃ足りません。
【歩行器を返却する】ためには、【歩行器が必要ないという実績】が必要なのです。
これは実は就活でも同じ!?
これって就活でも同じなのかなと思います。
「自立訓練は日によって疲れて動けない日もあって、週末につれてテイクアウトが増えて、部屋が汚くなります。でも仕事への意欲があるので、元気にできる日もあります。週の半分くらいは中途覚醒しちゃいますけど、仕事への意欲が高いので、働き始めたら疲れて眠れるので安心してください。」
って人と、
「自立訓練は余裕です。毎日5時に起きて運動もして、毎日掃除も自炊もできていて、他の人の家をする時間も体力もあります!あまった時間はボランティアに行って対人練習を積んでいます。今からでも働けます。」
って人なら、どちらを採用したいと思いますか?
99%後者を採用するでしょう。(良い会社なら特に)(障がい者雇用などは別かもしれませんが…)
それは元気に生活できている実績があるからです。
必要なのはやる気ではなく実績なんです。
相手も納得する自分になるために
誰から見ても納得されるためには、自分の実績を作っていくことが必要です。
実績がある人が選ばれる。たとえ未経験採用の職場でも、何らかの実績がある人が選ばれる。
遅刻していないという実績、よく眠れている実績、指示を受けて動ける実績、主体的に活動できている実績…
小さなことでも、実績を作っていくことが、どこでも選ばれる自分作りに繋がるということを、高木さんの歩行器返却の話から感じました。