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カテゴリー:えさか体験記

「経験の価値」を決めるのは誰?

今回も引き続き、コンプレックスに関するお話です。
前回の記事では、他の人よりも要領が悪いことに引け目を感じていた私がえさかの訓練で「人間の能力に大きな差はなくて、みんな時間をかけた分だけ成長できる」と教わったことで、自分の頑張りを認められるようになったという話をしました。

上記のアドバイスによって他の人との能力差で悩んでいた気持ちは晴れたのですが、ここで新たなモヤモヤが…

「そしたら早熟したように見える人って、小さいうちから“時間をかけた分だけ成長できる”と理解していて長年色々なことに熱心に取り組んでいたってことだよね」
「逆につい最近まで才能の差や要領の良し悪しばかり気にしてこれに気づけなかった私って、めっっちゃ無駄な時間を過ごしてしまっていたのでは…!?」

他の人たちが「時間をかける」大切さに続々と気づきはじめたタイミングで、私はまだボーっとしてたり遊んでばかりいた…
今度は自分が無意味に過ごしてきてしまったことに対して自責の感情が湧き出てきました。

この自責に対する高木さんの回答は
「人には、自分には測ることのできない価値がある」というものでした。

「自分の価値は自分で測れない」と言いかえると、他人軸の考え方であまり良くないように聞こえますが、これは「自分の凝り固まった価値観で自分の経験の価値を決めてしまうのはもったいないよ!」という意味です。
価値観は人それぞれで、たとえ自分自身であってもタイミングによって考え方は変わるのがその理由です。今の自分にとっては無意味で無駄に感じる経験でも、そのムダが今後の成長のキーになるかもしれませんし、他の人からすれば宝に見えることだってあるかもしれないからです。

そして、人は「自分は周りの人の役に立っている」と実感できるときに幸せを感じるようになっているのだそう。だから、たとえ平凡で見栄えしない経験でも、自分の経験を他の人ために活かせていると感じられたときに自分を責める気持ちもおのずと薄れていくのだろうと思います。
自分の経験に価値があるかどうかを考えるよりも「どうしたら自分の経験を他の人のために役立てられるか」を考えることが大事なんだと気づけました。

昔の私ならこの答えを聞いても「なんだよそれ、綺麗事かよっ。」と跳ね除けてしまっていたと思いますが、今回相談したときはこの説明がなぜか心にスっと入ってきました。

それはきっと、えさかで「自分と他人を切り分ける」ことを学んできて、「自分の価値観や認知が絶対ではない」と理解できるようになってきたから。そして、辛かった経験やうまくいかなかった経験を「失敗」として隠すのではなく、そこから気づいた解決方法や働くために必要な考え方を言語化して同じように生きづらさを抱えている人たちに伝えている、高木さんやえさかの支援員の方たちの姿を見ているからかもしれません。

自立センターえさか

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