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カテゴリー:高木の哲学

愛着理論と高木の哲学

人は、安心できる関係の中でこそ自分らしく動ける。この考えを心理学では「愛着理論」と呼びます。イギリスの精神科医ボウルビィと研究者エインスワースは、乳幼児が「安心できる人」を拠点に外の世界を探る姿を観察しました。それを「安全基地」と呼び、人間関係の基本構造を明らかにしました。
愛着は四つに分けられます。安心して頼れる「安全型」、不安が強く相手にしがみつく「不安型」、距離をとって頼らない「回避型」、そして混乱した関わりを示す「混乱型」です。
私たちの支援で大切なのは、この「安全基地」を施設に再現すること。安心して失敗でき、困ったときに戻れる関係、そして支援者と利用者が互いに配慮し合える関係。それが「合理的配慮」ではなく「相互配慮」です。
高木の哲学では、身体(臓器)・心(感情)・脳(思考)のズレを整え、「自分で決めて、自分で動ける」状態を目指します。
それは、愛着理論でいう「安全基地からの探索」と同じ構造。
安心があるから行動が生まれる。身体が先に教えてくれる安心感は、回復のサインです。
ただし高木の哲学は、愛着理論を超えて「目的」を見据えます。
過去の傷を癒すだけでなく、「命を何に使うか」という未来志向。支援の場を“安全基地の共同体”として機能させること。
安心から自立へ。依存から主体へ。私たちはこれからも、一人
ひとりの“安全基地”を共につくりながら、未来へ向かう支援を続けていきます。

自立センターえさか

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