どうしたらもう一度働ける自分になるの?
こんにちは。支援員の宮崎です。
かつての私もそうでしたが「どうやったら働ける自分になるか分からない!」という悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
そんな悩みでお困りの人に、えさか流もう一度働ける自分になるためのステップをおすそわけしていきます。
もう一度働ける自分になるために
うつや発達障がい、適応障がいで休職・退職してしまった方が、もう一度働ける自分になるためには、まずなぜ人は働けなくなるのか?ということを知っておく必要がありますよね。
このお話はこちらのブログで説明させてもらっているので機会を譲ります。
この職業準備性ピラミッドの積み直しは大きく分けて2つの立て直しに分けることができると考えています。
一つ目は「健康と生活の管理(セルフコントロール)」
二つ目は「対人スキルの学びと練習」です。
この二つの基礎の立て直しをすることで、もう一度働ける自分になれると考えて自立訓練のプログラムを作っています。
今からそれぞれ一つずつ解説していきますね。
健康と生活の自己管理(セルフコントロール)
一つ目が健康と生活の自己管理(セルフコントロール)です。
まずは職業準備性ピラミッドの一番下「健康管理」とその次の「日常生活管理」の立て直しのお話ですね。
「健康と生活が大事」とも受け取れますが、ここで最も着目したいのがこの二つの共通する部分になります。
健康「管理」
日常生活「管理」
どちらも「管理」という言葉が付いていますよね。
これは健康であることや生活能力があることが大事なのではなく、健康や生活を管理できることが大事だということを表しています。
☆体調が悪くなっても原因が分かり体調を戻す行動を選択できること
☆生活が崩れても仮説を立てて修正していけること
☆整えた健康生活状況を保ち続けること
このような「働ける自分になるためのスキル」というより「生きるために必要なスキル」を身に付けていく必要があります。
働けなくなった人のお話を聞いていると、働くことよりも生きることが苦手な人が多いように感じます。
□ストレスで体調を崩してこじらせがち
□仕事をしすぎて家事を溜め込んでしまう
□平日の疲れで土日バタンキュー
仕事があるから健康・生活が崩れると思っている人が非常に多いのですが(なのでお医者さんも「よく休んでください(休んだら出来るようになります)」と言いますよね)、実際休職・退職して仕事をしていない状態でも、気候や小さな外出などのストレスで安定した健康生活状況を継続できない人が多いのが実態です。
これは休みきれていないというのも原因としてありますが、その前に
★そもそも正しい休み方を知らない
★何をしたら体調が悪化するか認識できていない
★正しい生活管理方法を知らない
という管理のスキルが身に付いていないことによる悪循環が非常に多いように感じます。
まずは働くストレスがない状態で、自分の健康生活をコントロールする技術を身に付けていきましょう。
対人スキルの学びと練習
二つめは対人スキルの積み直しのお話です。
対人スキルは職業準備性ピラミッドでは健康管理・日常生活管理の次のピースになります。
えさかでは、対人スキルの習得には3つのステップがあると考えています。
これを服に例えて3つのボタンというお話で伝えていますのでご紹介します。
一つ目が「学びのボタン」です。幼少期に家族などから他者との交流について教わり身に付けます。
二つ目が「練習のボタン」です。小中学校で色んなテイストの関わり方を繰り返し実践し、失敗や試行錯誤を繰り返し自分らしい社会交流のスタイルを築いていきます。
三つ目が「活躍のボタン」です。家族で学び学校で練習してきたことがあるから、社会で誰かの役に立つ(=働く)ためのコミュニケーションが出来るということです。
働き続けられなかった人というのは三つ目のボタンが上手くはまらなかった人を指すのですが、三つ目で躓いている人は、往々にして一つ目と二つ目のボタンも上手くはまっていないケースがほとんどです。
□家族との関係の中で、間違ったことを学んでいる
□学校で上手く試行錯誤ができていない
職場でのコミュニケーションの前に、自分や身近な人とのコミュニケーションからやり直す必要があるんです。
★誤った常識を手放し、正しい社会の築き方を学ぶ
★学んだことを実践してみる
この2つのステップに対して、えさかでは訓練室を分けてプログラムを提供しています。
学び…6階訓練室(週3日、座談を中心としたプログラムを開催)
練習…7階訓練室(週5日、共同制作を中心としたプログラムを開催)
まず6階では理論ベースで理解して、それを7階で実際に行動してみる。
すると必ず7階に上がってから上手くいかないことが起きます。
☆6階だと大丈夫だったけどなぜか体調が崩れやすくなる
☆意識して練習しているのに全然出来るようにならない
このいわば失敗ともとれる経験から、「どうやったら上手くいくのか?」という解決策を支援員と一緒に考えて試行錯誤していく。
そうやって一つ一つ乗り越えていく先に、現実的な社会復帰の兆しが少しずつ見えてくるんです。
長く働き続けられる自分を目指す
「別に健康じゃなくても生活がぐちゃぐちゃでも働けてる人もいるじゃん」
「対人スキルなんて皆無でたまたま環境に恵まれて働けてる人だって多いよね?」
そういう疑問を持つ人も少なくないと思います。
現実に健康も生活も対人もボロボロでも、働き続けられている人がいるのも事実だと思います。
なので必ずしも2つの立て直しを経由しなくても、資格を取ったり環境を変えたりしたら働ける人がいるんだろうな~ってのも勿論思います。
もしかしたら目先の働くことに焦点を当てたら、そっちの方が自立訓練なんか通うより早く手軽に達成できるかもしれません。
ただ、その選択をした人たちがこの先も長く働き続けられるかどうかは知りません。
えさかには色んな年代・職種の人が相談に来られ利用しています。
その相談者の幅広さに、どれだけ良い職場でも、安定した資格で働いていても、状況と条件が揃えば人は働き続けられなくなるんだといつも思い知らされます。
だからこそ、長く働き続けられる自分づくりが大切なんです。
えさかは「半年後に就職すること」ではなく、「5年後も10年後も働き続けること」を叶えたいと思って日々支援しています。
やっぱり長く働くためには、それを叶える長く心地良く生き続ける自分づくりが必要不可欠だと考えて、この仕組みでプログラムを組みたてています。
今働けなくなって困っている人の中でも、長く働き続ける自分になりたいという思いがある方は、ぜひ一緒にえさかで訓練できたらと思います。
見学会や体験はいつでもできますので、気軽に問い合わせください。