ブログ

就労チェックリスト~あなたは何点?~

こんにちは!支援員の宮崎です~。

今日の宮崎が作ってみた就労チェックリストについておすそ分けします。

世にある就労チェックリスト

よく集合プログラムの準備で「就労準備」などで検索したら「就労チェックリスト」ってのが出てくるんですよ。でもそれが自分でもチェックしにくいなと感じていたんです。

段階分けが「完璧にできる・大体できる。・普通にできる・支援があればできる・できない」みたいなふわっとした表現だったり、「文字が書けるかどうか」みたいな高IQや大卒発達障がい者に必要なチェックではないよなぁ…と思ったり。

それなら今まで髙木さんが教えてくれたことを踏まえて、作ってみたら良いのではないか?と思ってネットに落ちてるチェックリストをいくつか参考にしたりして、20問作ってみました。

えさか特製と銘打ってますけど、宮崎が勝手に書いただけで何の根拠も信憑性もないし、えさか公認でもないので悪しからず。

えさか特性チェックリスト

それぞれの項目で当てはまる数字に○をしていってください。

■睡眠

(5)平日に十分睡眠が取れているので、土日に寝溜めせず同じ時間の睡眠で過ごせている

(4)平日は睡眠が取れているが、土日になったら1時間以上長く寝てしまう

(3)平日起きた時は普通だが昼食後から眠くなったり疲労感がある。日によって起きてすぐ調子が悪い。

(2)睡眠は取れるが平日の朝からなんとなく調子が悪い。日中眠たいことが多く調子も良くない。

(1)寝入りが悪い・中途覚醒がある。眠れている感じがしない。慢性的な睡眠不足感がある。

■食事

(5)自分が体調良く過ごせるための食事量・頻度が分かっていて、それを毎日実行できている。

(4)自分が体調良く過ごせるための食事量・頻度で過ごすよう心がけているが、週の半分くらいは適当に済ませてしまう。

(3)忙しかったり余裕がなかったりすると食生活が崩れてしまう。

(2)朝食を抜いたり、おやつがやめられなかったり、規則正しいリズムが乱れている状態が常態化している。

(1)過食・拒食を自分でコントロールできない。食事に強い課題意識がある。

■排泄

(5)毎日気持ち良くお通じが出ている。

(4)どんなことでお通じが乱れるか理解していて、都度改善のための行動が出来ている。

(3)心身の状態が悪いと便秘や下痢になるが、改善する行動をするというより改善するまで待つ感じになっている。

(2)便秘や下痢を繰り返していて、遅刻したり休んでしまったりする。

(1)便秘や下痢から来るしんどさで、毎日の日常生活に支障が出ている。

■服薬・通院

(5)医師と建設的なやり取りができ、処方箋通りの服薬が出来る。

(4)医師に上手に相談出来ている感じはしないが、出された薬はしっかり服用できている。

(3)医師に相談の仕方が分からないし、よく薬を飲み忘れる。

(2)通院や服薬がままならず、誰かの付き添いや介助が必要。

(1)通院や服薬を拒否して、付き添い人や介助者が困っている。

■身だしなみ

(5)どれだけ忙しくても調子が悪くても、毎日清潔を保ち手入れされた服を着て過ごせている。

(4)忙しかったり体調が悪いと、入浴や歯磨きをせず寝てしまうことがある。

(3)前の日に入浴や洗濯ができずに、次の日遅刻・欠席してしまうことがある。

(2)身だしなみを整えるのに介助や見守りが必要。

(1)身だしなみに対する認識が低く、介助者が困っている。

■家事能力(掃除・洗濯・調理)

(5)自分が心地良く過ごすための方法を身に付けていて、毎日実践できている。

(4)自分が心地良く過ごせる基準は理解しているが、平日は手に付かず、週末にまとめて実施している。

(3)やれと言われたらできるが、日常生活レベルに落とし込めていないので、イマイチ自信がない。

(2)家事の中で出来ないことがある。家事援助に入ってほしい(または入ってもらっている)。

(1)家事全般が困難で、毎日の生活には介助が必要。

■生活(片付け)

(5)いつでも人が来ても恥ずかしくない家(部屋)を維持できている。

(4)平日は散らかっているが、毎週末は人が来れる状態まで片付ける習慣がある。

(3)人が来るときだけ片付ける。基本的にいつも散らかっている。

(2)どうしても片付けられないので、家事援助に入ってほしい(または入ってもらっている)。

(1)部屋が散らかり過ぎているので、物を探すのにも介助が必要な状態。

■時間管理

(5)睡眠時間を差し引いた覚醒時間の中で、必要なこととやりたいことを理解して、優先順位を付けて取り組めている。

(4)イレギュラーなことが起きても、時間に余裕があり対処ができるため、就寝・起床時間に影響が出ない。

(3)生活は出来ているが、バタバタしたりダラダラしてしまったりする。イレギュラーなことが起こると戸惑ったり就寝・起床時間がずれてしまうことがある。

(2)一日の中でやるべきことが終わらず、睡眠時間を削ったり、遅刻・欠席するクセが付いている。

(1)睡眠ややりたいことの優先度がぐちゃぐちゃで土日寝潰したり夜通し活動してしまったりする。

■金銭管理

(5)いつでも人に見せられる家計管理が出来ている。

(4)人に見せるのは恥ずかしいが、収支は揃っている。

(3)収支を揃えようとするが、なかなかうまくいかない。

(2)いつも使いすぎてしまい、金銭の扱いに介助が必要。

(1)金銭の扱いを任せられないため、後見人や保護者が行っている。

■外部へのアクセス

(5)役所の手続きや税金・年金の支払いなどを一人で行える。

(4)手続きなどに自信がないが、自分で電話で確認したりしてどうにかしようと行動できる。

(3)相談員さんが準備を手伝ってくれたら、手続きは一人で行くことができる。

(2)手続きに介助者が必要。

(1)手続きが出来ないので、後見人や保護者が行っている。

■感情のコントロール

(5)相手に何を言われても(されても)、自分の感情がそれで揺れることがない。または揺れている自分がいても今の自分と切り離して考えることができる。

(4)自分がどんな言葉で感情が揺れるか理解していて、気にならなくなるための行動が出来ている。

(3)相手に何か言われたら、自分に関係ないと分かっているが感情が揺さぶられてしんどくなってしまう。

(2)相手に何か言われたら、感情が酷く揺れて日常生活や健康状態に支障が出てしまう。

(1)相手に何か言われるのが怖くて人と関われない。相手に何も言われてなくても、言われる恐怖で日常生活や健康維持がままならない。

■行動のコントロール

(5)上手くいかないことがあっても、然るべき対処をしてより良い方向に持っていくことができる。

(4)上手くいかないことがあっても、然るべき対応が上手くできている自信がないが、あまり気にせず次の行動に移れる。

(3)上手くいかないことがあったらイライラして、他のことに集中できなくなる。

(2)上手くいかないことがあったら、イライラしたり寝込んでしまったりして、日常生活や健康維持がままならない。

(1)上手くいかないイメージに支配されて、何もする前に落ち込んだりやる気がなくなってしまう。

■一対一の会話

(5)目的に応じて必要な時に適切な交流ができる。

(4)準備や対策をすることで、必要な交流ができる。

(3)概ね問題なく会話できるが、言われたら凄い揺れる地雷エピソードを持っていたり、特定の相手に対する強い苦手意識がある。。

(2)相手に通じなかったり、怒らせたり、嫌われたりする。いつも自分に悪影響を与える人(イライラする・意地悪されるなど)が周りにいることが多い。

(1)一対一の会話に嫌なイメージしか浮かばず、落ちこんだり日常生活・健康維持がままならない。

■複数人との会話

(5)目的に応じて必要な時に適切な交流ができる。

(4)準備や対策をすることで、必要な交流ができる。

(3)特定のタイプの人や状況に対して苦手に感じてしまったり上手くいかないことが多い。

(2)いつも浮いてしまったり、避けられたり、イライラしたりとどんなコミュニティでも上手くいかないケースが多い。

(1)複数人の会話に嫌なイメージしか浮かばず、落ち込んだり日常生活・健康維持がままならない。

■就労意欲

(5)その業種に対する熱意とその職場に対する熱意を言語化して人に伝えることができる。

(4)どこでも良いから人の役に立ちたいという思いを言語化して人に伝えることができる。

(3)自分が人の役に立つというイメージが沸かない。

(2)できることなら働きたくないが、生きていくためにしょうがなく仕事を探している。

(1)働きたくない。

■成長意欲

(5)その業種を極めたい、職場で役に立ちたいという思いを言語化して同僚に伝えることができる。

(4)何かと今の業種・職場で成長したいけど、何か引っかかってることがある。

(3)今の自分でそこそこ働けたら良い。

(2)何かと成長したいけど、どんな業種・職場で働きたいかのイメージが沸かない。

(1)今の業種・職場で成長していくイメージが沸かない。

■上司とのやり取り

(5)上司との関係性で困っていることはない。または都度相談して解決できている。

(4)上司から言われて納得できないことがあっても、自分なりに考えた工夫を共有するなどして、少しずつ改善できている自覚がある。

(3)無理な仕事を頼まれたり、いきなり怒られたりするなど、上司と自分の間に共有できてないことがある。

(2)上司に言われたことで感情が揺れて仕事に支障が出ている。

(1)上司の存在自体が怖くて、日常生活や健康維持に支障が出ている。

■時間管理

(5)自分の一つ一つの業務にかかる時間を把握できているので、優先順位を付けて仕事の計画が立てられる。

(4)基本的に遅刻・欠席・早退はないが、納期や上司から言われた期日を守れないことがある。

(3)自分の業務にかかる時間を上司と予め共有できているので、作業速度が遅くて怒られることが少ない。

(2)よく上司に時間をかけすぎだと怒られる。

(1)正直自分の生活もコントロール出来てないのでそれどころじゃない。

■質

(5)自分の業務の先を見越したり、周りの人の動きまで見据えて仕事が出来るので成果に繋がる。

(4)最低限自分の業務は納期と品質を守り実行することができている。

(3)自分の仕事に自信がないので、上司や同僚に協力を仰いだり、予め相談するなどして対策を取ることができる。

(2)上司にいつも仕事ができていないと怒られる。詰めが甘くミスが多い。周りによく迷惑をかけてしまう。

(1)正直自分の生活の質に自信がないので、仕事の質まで気が回らない。

■客観視

今まで○付けてきたものを(5)…5点 (4)…4点 (3)…3点 (2)…2点 (1)…1点で採点したとして…

(5)支援員と自分の採点の間にずれがないと思う。自分の採点の方が高いことはないと思う。

(4)支援員の方が低く採点していても、それを受け止めて改善していきたいと感じる。

(3) この質問を受けて自分の採点を付け直したい。または採点を付け直した。

(2) 自分の採点に自信がない。支援員の採点を見るのが怖い。

(1)そもそも支援員が自分を採点することに少し疑問を感じる。

何点なら働けると思いますか?

今の自分が何点でしたか?という質問と同時に、何点の自分になりたいですか?という話をしました。

これって多分、統計を取ればデータは出ますけど「○点以上じゃないと働けない!」というものではないと思うんです。

自分の中でなりたい自分がいて、そこになれるかどうかだけなんじゃないかなと。
なので、点数自体というより、なりたい点数との差分が大事なんだろうなと思います。

合格点でも働けない

高木さんがこの私が作ったチェックリストを見たときに「60点あれば働けるやろ」と言っていました。でも今回利用者さんと集合プログラム内で試してみて、利用者さん全員60点以上取れているけど働けるフラグが立たないそうで。

えさかの自立訓練を考えてみてもわかるのですが、健康・生活が出来て初めて対人・仕事が出来るようになるので、初めの方の問い(健康・生活)が4または5にならないと、後半の仕事の問いに3以上が付かないんですよね。たとえ仕事系の問いで部分的に4や5を付けれたとしても自分の働ける自信や根拠に繋がらないというズレが起きてしまいそうです。

あくまでチェックリストはアンケートのようなものなので目安に過ぎませんが、安心してチェックが出来かつ支援員にも採点してもらえる自信が付いたころには自然と働けるようになるんじゃないかなと思います。

もし試してみた方がいらっしゃいましたら、感想をぜひ聞かせてください!

自立センターえさか

〒564-0051 大阪府吹田市豊津町18-37江坂ビジネスゾーン MAP