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どうやって泣くことが減ったか

おはようございます。支援員の宮崎です。
今日は先日卒業したもりたさんが、訓練期間に書いてくれたお話を紹介します。

支援員の前に座ると大粒の涙が止まらなかった時の話から、涙が出なくなった理由について書いてくれています。

どうやって泣くことが減ったか

実践プログラムに参加し始めて数ヶ月経った時の当初は、よく泣いていました。なぜなら、できることが少なくて、やってもらおうと甘えていたからです。例えば、実践プログラムで、皆についていけなくなり、協力ができない事がありました。その時の私は、泣いたら助けてもらえると思っていました。

しかし、泣いても支援員さんは助けてくれず、私の思い通りにはなりませんでした。「出来ない時は泣いて甘える」という手段しか持ってなかった私は、支援員さんが思い通りにならないと分かると、今度は両親に突然電話したり、実家に帰省したりして甘えて、両親を思い通りにしようとしていました。

しかし、他人は思い通りに動かすことはできません。そのことに気付いたため、次からは、それを解決するために、他人を思い通りにするのではなく、自分で自分の思い通りに行動するために、できることから練習を始めました。毎日通所し、学びのプログラムに参加しました。次は、数学の問題で分からないところを面談で聞いたりして、勉強を続けました。その次は、学びのプログラムで分からないことについて質問して食らいつく練習をしました。

そうすることで、自分の思い通りに動かすことができた結果、他人を思い通りにしたい想いが減り、甘えたい気持ちが減りました。甘えたい気持ちが減ったことで、今では泣くことが減り、両親への突然電話することや、実家に帰省したい気持ちが減りました。

他人を思い通りにするために泣いているうちは、変われなかったと思います。自分で自分を思い通りにすることが成長する一歩だと思います。

自分を思い通りに動かせると見える世界が変わる(解説:宮崎)

家族に考え方を変えてほしい、友人にこう動いてほしい、恋人にこう思ってほしい…という風に「他者の考えや行動を変えたい」という思いを持ってしまう人は一定数います。しかしそういった人の話を詳しく聞いていくと、自分の考え方や行動を上手く変えることが出来ない不満が根源にあることがほとんどです。

自分の思考や行動をコントロールして何かを達成することが苦手な人ほど、他人の思考や行動をコントロールすることで達成できると思ってしまいます。しかしもりたさんのように、この手段では大抵叶わないのが現実です。

彼女の場合は相手の言葉を受けてそれを自分が分かるように組み立てて整理することが苦手でした。分かってないのに分かったフリをしてしまい、収拾がつかなくなり、誰かに甘えることで解決しようとする、けど出来ない…という負のループに入っていましたね。

詳しくはこちらのブログにも書いてくれていますが、小学校の算数の勉強からやり直し「自分を思い通りに動かす練習」を重ねたもりたさんは、他者を思い通りにしたい気持ちが減っただけでなく、私たち支援員への頼り方も上手くなったように感じます。「ここまでは自分で解決して、ここから先は助けてもらおう」という線引きが出来るようになったからでしょうか。

支援員が「助けてくれない敵」から「困ったら一緒に考えてくれる味方」に変わっていったようでした。自分を思い通りに動かすことが、周りも思い通りに動いてくれることに繋がる…とまで言いませんが(笑)、自分を思い通りに動かせると見える世界も変わるんだろうなぁというのを訓練の様子を見させてもらいながら感じていました。

職場でも自分を思い通りにする精度を上げていき、いきいきと働くもりたさんの姿を楽しみにしています。

自立センターえさか

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