言っても無駄かなと思う相手にも伝えてみること
おはようございます。支援員の宮崎です。
今日は卒業生のなさんが訓練期間中にあった他者との関わり方について書いてくれました。
ぜひ読んでみて下さい!
言っても無駄かなと思う相手にも伝えてみること
卒業生のなです。もうやめはった支援員さんに心を動かされたことについて書きます。
私は、通所したての頃、支援員のUさんに対して正直あんまり話が通じないなと思っていました。話を長々とするタイプの利用者(私以外にもいた)の発言をうまく理解できない方でした。私は、必要最低限のことを、最小限にまとめて話すようにだけしていました。
Uさんは集合PGを担当されていたのですが、2時間の間で運動を個人で調べてみんなで一緒にやろうという回が何度かありました。当時、個別PGであったり、家でも自分なりに調べて色々やっていました。短時間で調べてやることに意義を感じられませんでした。運動のプログラムはやる必要を感じないと、当時担当してくれていた宮崎さんに話しました。嫌ならその理由をUさんに話したらいいのではないか提案いただき、宮崎さんについて来てもらって、Uさんに「運動のプログラムをする必要性を感じない。どうしてやるのか?」ということを尋ねました。その場で納得する解答はもらえませんでした。でも、嫌な顔もされませんでした。
次の運動プログラムのレジュメに、厚労省の運動についての説明を載せてくれていました。読んで納得したかは覚えていません。自立のために健康になるという目的・目標が果たせるように、Uさんなりに考えていてくれているのかなと嬉しく思いました。
目的・目標があるなら、話が通じにくい人だからと、話をせず諦めるのはもったいないということを学ばせてもらいました。そして、言われたことをすぐ反映できるUさんがすごいなと思いました。なんか利用者が支援員にいうことじゃない気がして、すごいなと思ったことは伝えられない間にUさんは転職していかれました。他にも話が通じにくいなと感じた利用者さんとでも、一緒に集合PGに参加することで信頼が生まれたりする経験をできたことで、今働けているのかなぁと思います。
「自分の中の相手像」を作り上げる癖をやめる(解説:宮崎)
生きづらくなっている方は今回のなさんと同じように、感じたことがあっても「きっと話が通じないだろうな」などと想像してしまい、伝えない選択をしたりして、結果としてモヤモヤを解消できずにいる人が多いように感じます。
親子関係の中で諦める練習を沢山してきてしまっているからでしょうか、他者にもそれを当てはめてしまう癖がついているのかもしれません。
相手は親と違う人間だから反応も結果も違うはずなのに、親と相手を同一視してしまって同じ選択をしてしまう。ないしは「自分の中の相手像」を勝手に作り上げて、その人と会話をしてしまう。そのため現実の相手とはどんどん距離が出来てしまう…そういった負の悪循環が少なくありません。
なさんは今回支援員のUさんに自分の思いを伝えてみることを通じて、そういった幻の世界から抜け出せたのかな。えさかに居る間に良い成功体験を積めて良かった!
支援員に対し「幻の支援員像」を作り上げてイラモヤしまう人は結構多いです。なさんのように“幽霊の正体見たり枯れ尾花”…実際に話しかけてみることで、幻を作る癖を手放していける利用者さんが増えていったら良いなと思います。