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働き続けられない人に足りない3つのこと(えさか通信10月号)

こんにちは!支援員の宮崎です。今年ずっとお休みしていたえさか通信を10月号から再開しました~!
新しくコラムページを作ったので、その文章を掲載します。
テーマは「働き続けられない人に足りない3つのこと」です。

はじめに

自立センターえさかは「生活訓練」という障害福祉サービスを通して、うつや適応障害などで働けなくなってしまった方に向けてもう一度働ける自分になるための支援を行っています。

日々様々な方のお話を聞いている中で、同じような障がいの程度でも働ける人と働き続けられない人に分かれるように見受けられます。働ける人はどんな就労形態でも働き続けることができる一方で、働けなくなる人は学歴や資格を持っていても、ホワイト企業で手厚いサポートがあっても働き続けることが出来ません。働けるか否かは職場環境や支援の有無ではないと言って良いと感じています。では働き続けられる人とそうでない人では何が異なるのでしょうか。今日は働き続けられなくなる人に共通することを3つ取り上げて紹介していきます。

「働くこと」への誤解

1点目は「働くこと」をそもそも知らないということです。働くとは、具体的に「自分がやりたいことを相手に提供することで、ありがとうと言ってもらえる&役に立つ喜びを感じる&お金が付いてくる」という一石四鳥の活動だと定義することができます。

しかし仕事を「お金をもらうために嫌なことをすること」だと誤解している人が少なくありません。そう思っていると労働は非常に効率の悪い選択ですので、少しでも楽して給料を貰うことを考えたり、常に条件の良い職場に転職することが過ぎり、仕事に身が入りません。

そもそも働くこと自体が嫌なことなのに、更に職場で嫌なことなんてあれば地獄のような苦しみに感じ、生きていく絶望感に苛まれてしまいます。

提供する側になる「やる気」の準備

2点目は提供する側になるためのやる気の準備が出来ていないことです。現代において人は生まれてから学生時代まで「提供される側」として人生を送り、社会人になって初めて「提供する側」に回ります。

置かれる立場が180度変わるため、働く前にその準備をしておく必要があるのです。家庭のお手伝いから学校での下級生の面倒、課外活動やバイトなどを通じて、得る喜びよりも与える喜びの方が幸福度が高いことを学習しておく必要があります。

しかしそのような提供する経験を積んでいなかったり、提供したことによる成功体験がないと、提供する側になる「やる気」が育たず、職場がむしろ自分がお金や支援を提供されるために行く場所になってしまい、結果として働き続けられなくなってしまうのです。

他者と協力する力

3点目は他者と協力する準備が出来ていないことです。ほとんどの人が会社などの組織の中で誰かと協力して働くことになると思うのですが、この「人と協力する力」が身に付いていないことが致命傷になっている人が多いです。

働けなくなっている人の中には、能力が高く顧客へのサービス提供力は一級なのに同僚と協力するところでつまずいている人がいるように、協力する力は国家資格よりも重要な力とも言えるでしょう。

何かをごまかすために嘘を付いてしまったり、見積もりが甘く身の丈に合わない役割を引き受けてしまったり、親子関係から紐づく誤解から歪んだ対人公式を持ってしまっていたり…協力できない原因は多種多様ですが、他者と役割分担をして共通の目的を達成することが出来ない人は、どんな会社でも安定した就労が難しくなっています。

もちろん働けなくなる原因はこれら3点だけではないですが、多くの人がこのようなことが課題となることすら知らないまま病んでしまい、復帰しても再発を繰り返しています。職歴や世間体を気にして無理に就活する前に、今一度「働くこと」について学び直してからの方が長く健やかに働き続けられるのではないでしょうか。

以上、今月号でした。次月の通信もお楽しみに。

自立センターえさか

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