防衛機制とその支援についての葛藤
お疲れ様です!支援員の宮崎です。
今日は集合プログラムで「防衛機制」を取り扱いましたが、そこではお話していない支援員としての葛藤を書いていこうかと思いました。
板書はX(旧Twitter)に掲載しています↓
【今日の集合プログラム】
防衛機制
「身体化」と「行動化」言語化できない無意識の
衝動・欲求・葛藤・感情などが、
体調不良などの身体症状に出てしまう人と
過食・散財などの行動に出てしまう人
どっちも出てくる人がいるどちらも対処法ではなく
根本解決を目指した方が
症状の増悪を防げる。 pic.twitter.com/mtt79Yd86q— 【えさかでリワーク】自立センターえさか スタッフ (@esaka_staff) January 24, 2024
無意識に落ちているものをどうやって見つけるか?
ちらっとX(旧Twitter)でも書かせていただいたのですが、防衛機制の話になると「無意識に入ってしまっている葛藤をどうやって見つけたら良いか?」「無意識に落ちているならば、自分で見つけられないのではないか?」という質問をいただきます。
結論から言うと、意外と自分で見つけることが出来るようになると考えています。
人は受け入れがたい何かに晒された時に、防衛機制が働きます。(笑)
なので、特定の単語やシチュエーションで
・涙が出たり(身体化)
・暴飲暴食したくなったり(行動化)
・趣味に没頭するようになったり(逃避)
・他人の話題が増えたり(投影)
・いきなり計画してない活動を始めたり(補償)
・周りが驚くような理屈で何かを判断したり(合理化)
↑
「えさか休みます」や「〇月から就活します」が多い
といった感じで「何か」を引き金に、いくつかの防衛機制が動き出すので、毎日の行動を記録していくと、その因果関係が見えてくるんです。
「お母さんの話したら腹壊すな」とか
「支援員にこれ言われたらスマホ時間増えるな」とか
えさかは毎日メディカルチェックで24時間の行動記録を付けてもらっています。
そのため通所を重ねるごとに利用者さんが何を無意識で持っているのか、見当が付くようになるんです。
「これ言ったらお腹壊すだろうな…」みたいな。
慣れてきたら自分で分かるようになる
毎日訓練に通ってメディカルチェックをしっかり付けていくと、支援員に言われる前に自分の防衛機制が分かるようになり、それが何が引き金で起こるかも見えるようになってくるんですよね。
「この集合プログラムのテーマの時休んでるな」とか
「月間振り返りすると必ず就活したくなるな」とか。
つまりはそれらが自分の無意識に眠っている地雷のヒントになるので、それを基に個別プログラムを進めていくことになります。
「自分じゃ分からないので教えてほしい」
これも利用者さんによく言われることなのですが、「自分じゃよく分からないので指摘してほしいです」とよく依頼されます。
実は私たちもそれに応えて都度伝えたり、説明したりしているのですが、なかなか受け取ってもらえていないなぁという感覚です。(伝え方が下手なのかもしれませんが)
伝えても伝えても、伝わらない!(笑)
でもそれはそのはずで、
たとえどれだけ分かりやすく話したとしても、それってそもそも「受け入れ難い話」だから色んな防衛をしている訳なので、そう簡単に受け取れないですよね。
仮に受け取れたとしても、物凄い防衛機制が働いてしまう…
複雑かな、支援員側にはどれだけ見えていても、利用者さん自身がその課題について、認知できて、理解できて、解決の必要性を感じられて、訓練で改善していく…という流れまで持っていけるかは利用者さんごとに個人差があるのかなと思います。
防衛機制が強く表れまくってそのまま就職していっちゃう人もいますしね。
就職できたら良いのか?
訓練でどれだけ受け入れ難い話が出てきても、「まぁこれが受け入れられなくて働けなくなったんだし、ちゃんと乗り越えねば…」と思えたら良いんだと思うのですが、中には「そんなことするくらいなら就職したい」と感じる人も一定数いるんだと思います。
どちらの選択が良い悪いは言えませんが、ただ、それって防衛機制の行動化であり逃避なんじゃないか?これって要は自傷を支援していることにならないか?と非常に不安になります。
事実として「そのやり方で生きてきて、病気になって、働けなくなった」という結果があるので、課題が残ったまま卒業する利用者さんに対して葛藤しないとは言えないんですよね。
少なくとも1つでも、「〇〇という課題があったけど、△△に取り組んで、□□になった」という成果を支援員と共有してから卒業出来たら良いなぁと日々思って支援しています。
支援で悩む日々…
恐らく支援に正解も公式もないので、時と場合と利用者さんによっていろいろ変わってくるので、いちいち悩んでも仕方ないのかもしれませんが、利用者さんにとって何が最善になるか、毎日悩んでいる宮崎です。