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カテゴリー:社会人基礎力

社会人基礎力「計画力」

こんにちは。支援員の宮崎です。

前回のブログ「課題発見力」に引き続き、えさかで学ぶ社会人基礎力のお話をご紹介していきます。
今日は「計画力」についてです。

定義と行動例

定義:課題に向けた解決プロセスを明らかにし、準備する力

行動例:課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、“その中で最善なものはなにか”を検討し、それに向けた準備をする

計画と準備の違い

今回のテーマは「計画力」ですが、その定義や行動例を見ると「準備する力」と書いてあります。
計画と準備。似ているような言葉ですが、改めてどんな違いがあるのか、今一度定義を確認してみましょう。

辞書的には
計画…ある事を行うために、あらかじめ方法や順序などを考えること。
準備…物事をする前に、あらかじめ必要なものをそろえたり態勢を整えたりして用意をすること。

どちらも目標を達成するために必要なことですが
言わば計画は思考ベースで「紙に書き出すこと」がゴールくらいの感じかな。
一方準備は行動ベースで、その考えた計画通りに進めるために「あらかじめ行動しておくこと」を指すのでしょう。

「計画」力という名前にはなっていますが、目的目標を達成するためには「準備」まで済ませておくことが必要だと定義と行動例からも分かりますね。

なぜ計画がうまくいかないのか

生きづらさを抱えている人の中には「計画を上手く立てても上手くいかない」という悩みを持っている方も多いと思います。今回のブログはそんな悩みを特徴別にご紹介していきます。

やる気がなくなってしまう/計画の立て方が分からない

一つ目は計画を立てて進めていても、一度つまずいた時に気持ちがぽっきり折れてしまうケースや、そもそも計画の立て方が分からなくて行き詰ってしまうケースです。
こういう場合は「本当にやりたいことを叶えるための計画ですか?」と問いかけてみましょう。

幼い頃を思い出してほしいのですが、本当に叶えたいことって何度失敗しても誰に反対されてもしつこく挑戦し続けましたよね。
本当に手に入れたいと思ったことは、たとえ周りに知っている人がいなくても調べまくって辿り着いていると思います。

つまり私たちは自分がやりたいと思えることは、やる気も失敗も知識の有無も関係なく叶えるために叶うまで取り組み続けることが出来るんです。

もし何らかの障壁のせいで頓挫してしまうような計画は、もしかしたら心の底から叶えたいと思っていないことなのかもしれません。「親に言われたから受験している」「世間体を考えて就活している」というような他者由来の目標に対する計画になっていないか改めて振り返ってみましょう。

このような場合は、無理に計画を遂行させるために努力するよりも、自分がなぜ取り組みたくないのかを言語化してみたり、そもそも自分が心からやりたいことに取り組みなおしたりすることが、行き詰まりの解決に効果的だと思います。

ついダラダラしてしまう

二つ目は、たとえ自分が心からやりたいことだとしても重たい腰が上がらないケースや、スマホやゲームをして時間がなくなってしまうケースです。
こういう場合は、自分がだらしないことが問題ではないかもしれません!

ずばり結論から言うと、ダラダラしてしまう人は睡眠不足です。

ダラダラしてしまうのではなく、身体が「この状態で動いたら危険だよ!」と緊急停止ボタンが押されている状態になっています。
怠け者な性格で気合が足りない訳ではなく、足りないのは休息と回復です。

一刻も早く体調を取り戻すための計画を立てましょう。
普段の睡眠時間にかかわらず、頭がシャキッとするまで睡眠を取りましょう。
睡眠についてはまた後日ブログで紹介したいと思います。

そして食事や運動を適度に行い、日ごろ抱えている怒りや葛藤を一つずつ解消していきましょう。

人によっては「生まれて一度も頭や体がスッキリしたことがない」という人もいるくらいなので、まずはどんな目標を掲げるよりも前に「どんな目標も達成できる心身資本を確立する」という目標を設定しその計画を立てて遂行していきましょう。

この目標設定と計画遂行は、私たち生活訓練が得意な分野なので、よく分からない人はぜひ直接ご相談にいらしてください。

いつも想定外のことが起こる

三つ目はいつも突発的な事件(?)が起こったり、誰かから何か依頼されたりして、計画通りに進んでいかないケースです。
こういう事態はそもそも「計画とは?」という定義からよく理解できていないことが原因で起こっています。

いつも想定外の何かが飛んでくる人は、計画時点で主作業の時間しか見積もっていない場合が非常に多いです。
作業には以下の3つのフェーズがあります。

★準備作業…その作業を進める上で予め準備が必要なこと
★主作業…実際の作業
★終了作業…その作業を終わらせる上で必要なこと

例えば「一週間の食材の買い出し」という作業があるとすると以下のようにタスクを挙げることができますね。

★準備作業
―作業工程の確認
―必要な食材のリストアップ
―買う店の選定
―冷蔵庫の整理

★主作業
―実際に買い出しに行く

★終了作業
―食材を適当な形に切って冷蔵庫にしまう
―家計簿をつける
―買い忘れのチェック&次回購入日の日程決め
―エコバッグを畳む
―作業工程の修正有無確認
―休憩

各項目に対して時間配分が必要ですが、いつも想定外のことが起こる人は、主作業の「買い出しに行く」ところしか時間に計上しておらず、結果として

「冷蔵庫が汚くて整理に時間がかかった」
「買い忘れて急いで買いに行ったら疲れて昼寝してしまった」
などのバタバタが起きてしまうことになるでしょう。

「準備とは言い訳の材料をなくすこと」とイチローが言っていると高木さんが言っていますが(笑)つまり以上のような計画をまず紙面上で立案し、それを一つずつ着実に行っていくことが、想定外の事案に踊らされることを減らす有効な案なのかなと思います。

この計画づくりは職場実習や実務をせずとも、家事レベルで十分練習していけますので、苦手な人は支援員と一緒にやっていきましょう。

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以上、計画力のお話でした!

次回は創造力です。

自立センターえさか

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