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社会人基礎力「課題発見力」

こんにちは。支援員の宮崎です。

前回のブログ「考え抜く力」に引き続き、えさかで学ぶ社会人基礎力のお話をご紹介していきます。

今回から考え抜く力の各論に入っていきますね。

今日は「課題発見力」についてです。

定義と行動例

定義:現状を分析し目的や課題を明らかにする力

行動例:目標に向かって、自ら”ここに問題があり、解決が必要だ”と提案する

課題と問題の違い

えさかでは課題発見力を話すとき「課題とは何か」という定義を明らかにしてから進みます。そしてそれは課題と似ている概念である「問題」との違いを言語化することで非常によく理解することができます。

えさかでは
問題は「外から降ってくる対処しなきゃいけないようなもの」
課題は「理想の自分に到達することを阻害するもの」
と定義しています。

問題は次々降ってくるので処理しても処理してもどんどん湧いてきます。
一方で課題は常に1つずつ。解決すれば次のものが1つ出てくるだけ。

世の中には課題っぽいもの(解決しなければならなそうな事象)が多すぎて、自分の中で本当に取り組むべきことか放置して良いことか分からなくなっている人が多いですよね。

なので大前提として、問題対処ではなく課題解決に注力しようということをお話しています。

目的に応じて課題が変わる

先述したとおり、課題を発見するためには問題と課題の切り分けが重要になりますが、実は同じ一人の人間でも状況に応じて課題が変化するという現象が起こります。

どういうことかと言いますと、課題というのは必ず自分の現在地と理想の到達点の線分上にあるという定義でしたね。つまり、理想の自分像が変われば課題もそれに応じて変化するということです。

例えば「花嫁修業が出来ていない」「Webデザインの勉強が出来ていない」という2つの問題を持っている人がいるとします。

仮にWebデザイナーになりたいという理想を立てたとすると「Webデザインの勉強」が解決すべき課題になり「花嫁修業」は取り組む必要がないので問題となります。

そしてこの人が専業主婦になりたいという理想に変えた場合は「花嫁修業」が解決すべき課題になり「Webデザインの勉強」は取り組む必要がない問題になります。

このように、自分の周りには取り組む必要がありそうなことが山積していますが、理想の自分をどう設定するかによって、本当に取り組むべきこととそうじゃないことを明確に切り分けることが出来るのです。

自分の課題が分からない時は

ここまで話を進めましたが、いざ自分の課題は何かと考えたときに全然検討が付かなくて困った!という人も一定数います。こういった人はもう一度課題の定義に立ち返ってみると何が原因かよく分かると思います。

課題とは自分の現在地と理想の到達点の線分上にあると定義していましたね。つまり課題が分からなくなっている時は、①現在地が分からなくなっている、または②理想の自分像が分からなくなっているのどちらかではないかと考えられます。

①現在地が分からなくなっている人

現在地が分からなくなっている人は、自分を大きく見たり小さく見たりしていて、正しい自分像を認識できていないことが原因かもしれません。

実際の利用者さんでも、社会復帰を目指しており「家事は出来ているので大丈夫です」と就活フェーズに入ったのですが、なかなか就活が進まない方がいらっしゃいました。でもよくよく聞いていくと散財癖が治っていなかったり部屋がゴミ屋敷状態だったりと、就活の前にしなければならないことが沢山ありました(笑)このように自分の「出来ている」が実態より甘い採点になってしまっていると、課題発見でつまずいてしまいます。

逆に、しっかり成長しているのに「全然できていない」と評価してしまう方も一定数いらっしゃいます。この場合は雰囲気採点になっており、具体的に実態を観測できていないという癖がある方が多いです。例えば過食なら週何回になることを目指しているのか、部屋はどこまで片付いたら出来たと定義するのかなど、数値や定義を設定して評価する練習をすることで行き過ぎた謙虚さに自己肯定感を削がれることなく正しく現在地を把握できるようになるでしょう。

②理想の自分像が分からなくなっている人

理想の自分像が分からなくなっているケースは、往々にして自分が心から求める理想の自分像を設定していない場合がほとんどです。

例えば、親から言われた職業を目指していたり、友人から羨ましがられることだけ考えて良い会社や伴侶を探そうとしていたり、給与や条件だけ見て転職しようとしていたり…

本心では「そんなことやりたくもないのになぁ」と呟いていることが少なくありません。
本当に自分が目指しているところはどこか?もう一度問いかけてみましょう。

やることが多すぎて困る時は

やらなきゃいけない課題が多すぎる!と思っている人も多いでしょう。これには大きく分けて2つのパターンがあるかと思います。

一つ目が「私がやらなきゃ誰もやらないじゃない」と大量のタスクを抱え込んで、結果として身体を壊し働き続けらなくなってしまうタイプ。
二つ目が取り組みたいことが多すぎて優先順位を付けられず、行動できなくなってしまうタイプです。

誰もやらないからと抱え込んでしまう人

確かに誰もが手を付けないタスクが日々溢れかえってどこかに必ず皺寄せが来る職場ばかりですが、だからと言ってあなたが身体を壊してまでやる必要はありません。
心にも身体にも余裕がある時に取り掛かれば良いですし、もしいつも自分に皺寄せが来るのであればその仕組みやルールの改定を課題設定したら良いと思います。

取り組みたいことが多すぎる

取り組むことの優先順位が付けられない人は、なりたい自分像がいくつもあって選べない状態になっているかもしれません。

実はなりたい自分像が一つに定まっている時は、やるべき課題を時系列に一直線上に並べていくことが出来ます。

しかし自分像がいくつもにばらけている人は、そのどれもが今すぐ達成したいことでありそして同時に今すぐ取り掛からなくても良いことでもあるので、優先順位をつけられなくなるのです。

そして、こういった場合は実はそのどれもが本当にやりたいことでも本当になりたい自分でもないことが多いです。心の底からなりたい姿は何なのかという問いをもう一度考え直す機会が必要かもしれませんね。

そして「なりたい自分が分からない!」と困っている人がいると思うので、また後日ブログを書きますね。

以上課題発見力でした!

次回は計画力です。

自立センターえさか

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