ブログ

自分に合う事業所の見分け方

今日は自分に合う福祉サービスの見分け方のお話。

昔は福祉サービスって非常に貴重な資源だったらしい。が、今や沢山の事業所が名を連ね、どこに行ったら良いのか分からない事態になっている気がする。

特に就労移行や自立訓練などの訓練給付は受給期間が2年と決まっているし、自分に合わない事業所で訓練を受けるのは時間も心ももったいない。

(下手したら障がい者ビジネスの金儲けの鴨にされる可能性も・・・)

福祉サービスを受ける時には、できるだけ自分に合う事業所に出会えることが肝になってると思います。

今日はどんな視点で事業所を探したら良いのかを、利用者を経験したことのある支援員宮崎がおすそ分けします。

①母体をチェック

同じ障害福祉サービスでも、母体は結構違う。

母体が病院のところもあるし、株式会社のところもあるし、NPO法人のところもある。

提供しているサービスが似ていても、母体の理念や沿革が結構色濃く反映されると思う。

同じ「発達障がいに強い就労移行」だったとしても

医療機関が母体なら、医療的観点が強かったり、医療系有資格者が支援していたりするから、こころのケアや障がい理解などに強い。

母体が株式会社なら、元々どんな商売をしていたかで、かなり変わる。(えさかは元々経営コンサルが母体だから、支援内容もケアというより課題解決っぽいと思う。)

他にも知的障がい者向けNPO法人の作った事業所なら、療育寄りの支援が得意だったりする。

たとえ別形態・別会社・別管理とは言っても、意思決定は母体の色が強く出る。

だから母体の経営理念や沿革が、自分の受けたいサービスと合いそうかは最低限チェックが必要。

②スタッフをチェック

これは見学会などで聞かないと答えてくれないかもしれないけど。

障がい福祉サービスは、対人職なので、どれだけ同じサービスとは言っても支援員によって色が出てしまう。

だからこそ、支援員がどんな人かを聞いておくと、契約してからのギャップが少なく済むだろう。

□自分が見学したら、どの支援員が担当してくれるのか?

□支援員は過去にどんな仕事をしてきた人なのか?

他にも

□新卒から20年福祉事業所で働いてきたタイプか?

□一般企業からの転職組?

□どんな経緯があって支援をしているの?

特に私の読者層である再就職を目指す発達界隈の人は、繊細で社会復帰への意欲がある人が多いと思うんだけど、

「楽そうなんで支援員になりました〜」みたいな支援員に、もし支援されても絶対身に入らないし、そこまでじゃなくても「この人に支援されたい」「自分もこんな人になりたい」と心から思える支援員に出会わないと、なかなか支援も耳に入らんと思う(宮崎の体験談ですw)

利用者も支援者も経験して思うことだけど、訓練は支援員に嘘ついたら終わりだと思う。

自分が嘘をつかずに素で付き合える人を見つけるかどうかが肝。

事業所の見学会では、当面の上司を探し、釣り上げるつもりで挑もう。

③利用者をチェック

たとえ自分が成長すれば良いだけの個人プレーだとしても、就労移行や自立訓練などの訓練施設は半ば学校のような役割を持っている。

どんな利用者が多いかで、同じような訓練内容だったとしても、訓練の質的側面が大きく変わってくると思う。

たとえば以下の青い層の話

あくまで例だけど、学校の授業についていけなくて学生時代から社会適応で困っている層が多いところでは、どうしても大卒有資格者の人は退屈してしまう。

逆も然りで、再就職組ばっかりの仲間の中で、社会人経験がない利用者さんが一人ぽつんといると、やっぱり置いてかれてる気持ちが強く自己肯定感が下がってしまうかもしれない。

どの事業所も「一人ひとりに合わせた支援をします」とは言うけど、そんなの個別支援計画作るから当たり前だし、だけど実態は支援員の配置数は利用者6〜7人に対して1人(うちは3人に対して1人だけど)だから、個別対応と言っても限界がある。

それに福祉で再就職目指す組なら、やっぱり対人交流練習は必須、利用者間での訓練はどうしても大事になってくる。

どうせなら似たような課題で困っている人が集まる場所の方が、その層に対する支援の色が出るから、自分と似てる層が多く通っているところが良さそう。

④この単語が出てきたら注意!

これは非常に見分け方が難しいから、事業所の見学をするときに気をつけて欲しいキーワードとしてご紹介しておく。

自己理解を深める

「訓練で自己理解を深めるので、就職が出来ます」

「働くためには自己理解が必要です」

という文言を連呼されたら要注意。

自己理解って何?

自分の何を理解したら良いのか?

理解とは何がどうなっている状態か?

どんな訓練で理解が深まるのか?

なぜ自己理解すると就職できるのか?

一つも具体的じゃない。

本当に自己理解をさせようとしているところは自己理解という言葉を使わない。

その事業所の謳う自己理解とは、好きなことを理解することなのか、働けなくなった原因を知ることなのか、障害特性を知ることなのか、説明を聞いてもよく分からないところは、職員すら自己理解のことを人に伝わるレベルで理解できていないということだ。

「自己理解を深めるから働けるようになるんです」と言われたら、その事業所は要注意

条件で選ぶと必ず失敗する

たとえば再就職を目指したいはずなのに

「おしゃれなカフェ空間です」

「弁当無料です」

「交通費支給されます」

「工賃出ます」

「定着率98%」

みたいな、障がい者のドーパミンを刺激する文言が本当に多い笑

そういう目先の損得で判断させようとするところ・・・ちょっと本質というよりは広告っぽいよね。

その目先の得を得た先に、本当に自分のなりたい姿があるかどうか?はもう一度良く考えたら良いと思うし、そこの判断が付かないうちは、どんなに良い事業所に出会っても訓練はうまく行かないと思う。

同じ福祉事業でも・・・

同じ精神・発達障がいの方を対象にしたサービスですが、うっすらと対象になる層が違いますよね。

でも実は「うちは○○障がいに強いです」と言うところはもしかしたら稀かもしれない。それは逆に「それ以外は弱い」と言うことを呈示してしまうことになるから。

結果として、大きな事業所・医療などを母体としたところは、万人が通えますということを前提とした当たり障りのない自己紹介になってしまい、結果として福祉サービスを検討している人にとっては、自分に合った事業所探しが難しくなってしまっている現状がある。

だからこそ探す側が主体性を持って、事業所側に働きかけて、自分が本当に変われるための施設と出会いに行かなければいけない。

レベル高いな、事業所探しも笑

自立センターえさか

〒564-0051 大阪府吹田市豊津町18-37江坂ビジネスゾーン MAP