”訓練室に冷蔵庫を置いて欲しい“について考え抜く
おはようございます。支援員の宮崎です。
今日は昨日開かれた公開講座でのお話を報告しようかと思います。
今日のテーマは社会人基礎力2つめの「考え抜く力」でした。
いつもは理論的な話が多い高木の講座ですが、
今回は実際に利用者さんの間で出た話題に関して考えてみよう、という実践的な形式で進みました。
実は事業所の移転をした際に冷蔵庫が一台余ってしまい、本部(支援者室)に冷蔵庫が置いてあるのです。
それを訓練室に置いて利用者が使えるようにしてほしいというお話が発端。
今回はこの題材を使って考え抜いていこうと思います。
Contents
まずどこから考えていくか?
今回は考え抜く力の講座なので
1.課題発見力
2.計画力
3.創造力
の順に従って考え抜いていきたいと思います。
1.課題発見力を使って考え抜く
課題発見力とは現状を分析し、目的や課題を明らかにする力です。
何を分析すれば良いかというと
1.なんのために自分は冷蔵庫が欲しいと思ったのか(自分のこと)
2.なぜ今は訓練室に冷蔵庫が置かれていないのか(施設・行政のこと)
の2つについて考える必要があります。
これは自分の目的の理解だけでなく、施設側や行政の意図も想像する必要があり、物事への多面的な理解が求められます。
今の現状を多面的に理解することで、自分の目的に対して「訓練室に冷蔵庫を設置したい」という手段が適切かどうか見極めることができ、さらに相手側の「訓練室に冷蔵庫を設置しない」目的も理解することが出来ますね。
2.計画力を使って考え抜く
計画力とは課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力です。
準備って何を?と悩んでしまう方は
例えば
目的・目標を明らかにする
なんのために?いつ設置する?
納期・品質・コストを明らかにする
いつまでに?どれくらいの冷蔵庫を?予算は?
人・モノ・カネ(資源)の動きを明らかにする
関わる人は誰?管理担当は?施設側のやるべきことは?行政側のやるべきことは?
冷蔵庫は誰が手配する?壊れた時は誰がどうする?
冷蔵庫を買うお金は?所有権は?光熱費は?
ルール・手順を明らかにする
何を入れる?誰が管理する?どう管理する?
誰が利用する?約束を守らなかった人にがいたらどうする?
リスク・トラブル対応について明らかにする
どんなトラブルが考えられる?トラブルが起きた時は誰の責任?
トラブルが起きたら誰が対処する?
上記のような枠組みを利用して冷蔵庫を設置するプロセスを明らかにして準備していくことも出来ますね
えさかで学ぶ目的目標方針計画や、自分以外の人の流れや作業を想像する力(多面的なものの理解)、規律性などがぎゅぎゅっと詰まった段階になっていると思います。
3.創造力を使って考え抜く
最後の創造力は新しい価値を生み出す力です。
えさかでは、AさんとBさんの想いの両方を叶えられる方法を見つけることを創造するということだ、という話をしました。
(足して2で割ったらどっちも不満が残るからNG!という話が出てましたね)
今回でいうと
行政側の想いと、施設側の想い、利用者の想いの3つの想いを満たす方法を探すことが求められます。
行政側は利用者が安全に通えて、自立訓練の訓練効果が出ること?
施設側は利用者と結んだ個別支援計画の達成が出来ること?
利用者は個別支援計画の達成が出来て理想の自分になること?
その3者の想いを満たすための方法を探すことが創造力を活かすことに繋がりますね。
考え抜くって楽しい
自分の目的目標の理解、多面的な物事の理解、規律性、課題発見力、計画力、創造力、、、
何か一つのことをするときも社会人基礎力やその他の考え方を沢山使うってことが分かりますよね。
この過程を通して、色んな立場の人を理解し、自分の課題を見つけて、社会で生きれる自分を作っていけたら良いなと思います。
学校や職場ではこんなこと考える時間や余裕がなかったりするので、自立訓練の場で学ぶということがとても貴重な機会になると思いました!
次回公開講座
次の公開講座は6月第一火曜日
6月2日(火)10:00-12:00
お申込はこちら!