えさか通信

テキストアーカイブ

2022年1月号

新年の抱負と西澤先生を悼んで

謹んで新春をお祝い申し上げます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。本年も再就職に強い事業所として精進いたしますので、変わらぬご指導を賜りますよう、よろしくお願いします。

今年やることを書く

 新年に際して、今年どうしてもやりたいことを抱負として書いておきます。一番目は「経営理念」の見直しです。全社員で会社の存在意義から見直し、企業として果たす社会的責任から顧客の満足と社員の満足を重ねて追求し、企業の末長い存続を目指します。二番目は「10年ビジョン」の成文化です。これにより10年後の目指すべき姿を明らかにして、社員が希望を持てる会社にしつつ、夢に向かって進んでいきます。最後に、事業の柱となる「リワーク」の推進です。これは自立訓練だけでなく、就労移行事業所とも連携して、推進したいと考えています。職業準備性ピラミッドの健康管理と日常生活管理を軸に自己理解を深めて自身をコントロールして、夢を叶えるお手伝いを行います。また、対人スキルや就労に関する課題にも対応し、再就職を目指す利用者さんのご期待にも応えていきたいと考えています。

リワークに力を入れる

 昨年末に起きた「西梅田こころとからだのクリニック」の事件に関して、西澤先生をはじめ、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。西澤先生との関係を少しだけ書いておきます。複数の利用者さんが通院されていたことから、毎月この通信をお送りしており、ぽっかを2冊購入していただきました。また、リワークプログラムをされていたことから、私の再就職支援の取り組みにも興味をもっていただき、病院を訪問しての出前講座の開催もさせていただきました。事件の前週のことで、今回亡くなられた方々との面識もあり、いたたまれない気持ちです。今後も故人の想いも重ねてリワークに力を入れたいと思います。

訓練室が移転し、広くなりました

 2022年1月から、訓練室が以前の7階・5階の二部屋から、6階も新設した三部屋体制に変更になりました。
 今までの訓練室では、定員に対して訓練室がやや狭く、感染症対策としても課題を抱えていました。この度6階に訓練室を設けたことに加え、5階の訓練室も広い部屋に移動したので、利用者間でも十分な距離を確保できるようになり、感染症に不安を抱える方も安心して利用していただけます。
 そしてもう一つ、部屋を増やしたことで目的別に訓練室を分けてサービスを提供できるようになります。今現在でも、利用者間の交わりがない5階と、就職を意識した集合プログラムの開催される7階で分かれているのですが、今後は6階が新しく増えたので、就職まで目指していないけど、人との交流を練習したいという人に向けての集合プログラムを開催できる場所を作っていきたいと考えています。今はそこに該当する利用者がいませんが、目標を持って利用される方に全力で支援できるように、サービスの質向上をしながら、支援員一同お待ちしています。

個別支援計画とPDCA

 えさかの訓練は、利用者さん毎に作られた個別支援計画に対して、数値目標を設定し、それを達成するための行動計画を作り、支援員がサポートするというPDCAサイクルをベースに行っています。個別支援計画は職業準備性ピラミッドを基に、3項目の目標を立てるのですが、最近はその3項目の繋がりが、支援の肝になっていることを痛感します。
 例えば①睡眠②金銭管理③対人ストレスという3つの支援計画を立てる方がいるとすると、①中途覚醒を週1回に減らしたいという目標に対するために「対人ストレスを減らす」という行動計画になったりします。つまり、①の目標を達成するためには③を行動計画
にする必要があるということです。
 一つ一つの計画が独立しているわけではなく、入れ子式に絡み合っています。そのため、当事業所の支援員はその複雑な構造を見極めた上で、利用者とも共有しながら、個別支援計画の各項目の達成を目指すことを意識しています。

12月の集合プログラムの様子

自分と生きてきた環境も世代も常識も違う人たちと一緒に何かをするときに、まず一番初めに行うことの「自己紹介」。苦手意識のある利用者さんも多かったかもしれませんが、だからこそ今のうちに練習しておこう!ということで、各自自己紹介するシチュエーションを想定して、自己紹介シートを作り発表をしました。
自己紹介と気軽に言っても、誰に何を伝えたいかによって内容は結構変わってきます。自己紹介は主体的に他者と関わる一番初めの練習になりますね。

高木の生活訓練

定期受診も問題ないと太鼓判を押してもらった高木さん。でも最近は腕や胸など痛いところが多いそうです。毎日歩くことは続けているようですが、歩行器を持っているせいで上半身の運動がやや鈍くなって、痛みが出ているみたいですね。上半身の運動は、痛みで辛そう。今月で術後3か月。回復期に入った高木さんは今が正念場です。しんどい自分を変えるために行動を起こせるか…試される高木さん。2022年のも楽しみですね。