えさか通信
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2021年9月号
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なぜ生活訓練で社会復帰が叶うか
自立センターえさかは生活訓練の事業所として、生活を整える訓練を提供していますが、私たちはその生活を訓練することで、社会復帰が出来るようになる人が一定数いると考えています。
それはなぜかというと、日常生活を管理することは、時間を管理することで、それはつまり自分を管理することに繋がるからです。
働き続けられない人の一定数は、上手くいかないことや、自分じゃ割り切れないモヤモヤが発生すると、生活をなぎ倒してストレスの発散ないしは疲労の回復に走ります。ドカ食いや散財、必要以上の睡眠など、目に見える身近な解消方法を選択することで、一旦落ち着きますが、いざ再始動となったときに、その代償が訪れます。
実は再び動き出そうとすると、なぎ倒した生活を乗り越えるところから始まるので、とてもエネルギーが必要となるのです。初めは土日だけのつもりが、いつしか平日も生活をなぎ倒すようになり、何度か繰り返すうちに再始動が重すぎて、動けなくなるのです。
生活訓練では、日々の日常活動を揺るぎない軸として行える自分を作るところから始めます。少し苦しい時もお風呂は入る、疲れていても洗濯はする、食器は洗う。明日の自分に負債を作らない生活を作ることで、日常生活の慢性疲労を減らして楽に過ごせることを目指します。
揺れない自分づくりを
まず一人の人として生活できるようになって初めて、対人交流の練習が積みあがります。当事業所では、集合プログラムといって、他の利用者さんと一緒に活動する時間があります。そこで生まれるストレスがあっても、家の生活はしっかりできること、もしくは訓練で出たストレスを解消して、家
に持ち込まないことを練習します。
利用者さんの多くは「もう一度働ける自分になりたい」という目標を持って利用されています。仕事となると多かれ少なかれストレスが生まれると思いますが、それを自分で制御しながら生活が成り立つ自分づくりを目指しています
自分の「出しどころ」を学び直す
自分の中には複数の自分がいます。しっかりしたいと思う自分、時には甘えたい自分、自信がないから任せたい自分、ここだけは負けたくない自分…障害の有無に関係なく、どんな人でも色んな自分が時と場合をより分けて活躍して生きています。発達障がいと診断を受けて通所されてる利用者さんの中には、発達特性の強さ(または弱さ)ではなく、これら複数の自分の使い分けがコントロールできておらず社会適応出来なくなっている方が多く見られます。
例えば、自分が活躍できる場面で甘えたな自分を出したり、人を頼った方が上手くいく場面で負けず嫌いが出て1人で頑張っちゃったりして、周りの人との関係が上手くいかなくなるのです。
生きづらい人は、自分がどの場面でどの自分を出し、その結果どうなっているかが理解できてない人が多いようです。当事業所では、集合プログラムなど対人場面において、まず自分自身を分析し、自分の戦略を知り、そして適切な出しどころを習得していく訓練を、支援員と二人三脚で行い、社会適応を目指しています。
「素の自分」を育てる
素の自分を出せないと悩んでいる人は多いと思う。それは素の自分を出しても受け入れられず、嫌な思いをした経験があるからではないかと思う。親に対して安心して素の自分を出せて年齢とともに素の自分が育っている人は、交友関係や仕事上の関係も良好になるのではないかと考えている。
素の自分を封印し、周りに合わせようとすることは、成長を止めるだけでなく、自己否定につながり、うそをついてしまうことにならないだろうかと考えてしまう。自立訓練では、素の自分が感じた感情を言語化して、どのような思いがあって言動したのかを分析する。思いが叶わない場合には、思
いや言動に不適切なものがないかを大人なった頭で考えてみることが大切だ。そのうえで、次はこういう風に言ってみようとかこうしてみようとかの新しい選択肢を増やして、実践してみることが必要であり、その繰り返しが、素の自分を育てることになると考えている。
先月の訓練の様子
先月あったプログラム「人生ゲーム作り」はただのゲーム作りではありません。例えば準備から実施、片付けまでの見通しを持って計画を立てる力、人任せにせず自ら他者と協力する力、メンバーの進捗を把握してお互いに声を掛け合う力…と実は社会で他者と協力して働く上で必要な力を身に付けられるプログラムになっています。自分のできることを発揮して、足りない力は身に付けて、理想の自分を目指してもらえたらと思います。
イベントのアンケートをご紹介
高木の寺子屋「自己理解」
・自己開示も自己呈示もコインの裏表で自己呈示が「悪」ではないことが目からうろこだった。
・「自己呈示」は初めて聞く言葉でこれからは伝え方に注意し「自己開示」となるように人間力を磨きたいなと思います
社会人基礎力講座「計画力」
・「社会人基礎力講座」は現代社会においてとても大切な講座と感じましたし、この講座が社会で定着すると、生きづらさを抱えている方の生きるエネルギーを目覚めさせるのではないかと感じました。
10月のイベント
- 10月 9日(土)10:00-12:00 社会人基礎力講座「発信力」
- 10月13日(水)10:00-12:00 事業所見学会
- 10月20日(水)13:00-15:00 自立なんでも相談会
- 10月27日(水)18:30-20:30 座談会
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