えさか通信

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2021年5月号

「社会性」学び、自分らしく生きる

自立センターえさかでは、社会性・自己理解・他者理解・PDCAの四つを軸に訓練を構成しています。今日は「社会性」について詳しく書いていこうと思います。

自立訓練で学ぶ社会性

自立訓練(生活訓練)では、健康面・生活面の立て直しを中心に行っていますが、それには社会性はかかせない成分になっています。その理由が社会の定義に隠れています。

えさかでは、社会の最小単位を自分だと定義しています。自分がいて、その周りに家族、友人恋人、学校や職場の仲間、その他の繋がりへと社会が広がります。(図1)
生きづらさを抱えている方は「自分は社会の端っこにいる」「社会は遠い存在だ」と思っている方が多いです。でもそうではなくて、自分が自分の生きる社会を形成していることを学び、自分から半径5mの世界をどう作りたいか、ということを学んでもらうことが大事だと思っています。

社会とは何かをまず知り、その上で社会の中で自分がどう生きていくかを決めるということを自立訓練で学んでもらうべく「社会性」を訓練に盛り込んでいるのです。

内面の統合から社会へ

社会には色んな考えの人がいて、その多様性が溢れる中でどう一丸となって目標に取り組むかが大事ということは、幼稚園から小中学校にかけて学び、働くときにもその考え方は活かされます。ですがこれは自分の行動選択を決めるところにも活かされます。

実は自分の中にも、いわゆる「社会」と同じで、様々な自分がいます。人の役に立ちたい自分、笑顔いっぱいの自分、楽観的な自分、怖がりの自分、自分の得しか考えてない自分、金だけ欲しい自分。自分の行動もそんな多様性に溢れた自分の総意のもとで選択されるのです。発達障がいの特性で「やろうと思ってもできない」というのは、そんな大勢の自分の声をしっかり聴いて、全員が満足する方向に向かうことが苦手だから発生しているのだと思っています。
まずは自分自身が一丸となって自分のより良い姿に向かって取り組むために、社会性を高めていける支援をしています。

社会人基礎力を学ぶ意味

えさかでは社会性を高めるために、社会人基礎力を学んでいます。
社会人基礎力とは2006年に職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として経済産業省が提唱したものです。前にふみ出す力・考え抜く力・チームで働く力の3つの能力で構成されています。2018年に「人生100年時代の社会人基礎力」と再定義されました。そこで更に3つの視点「目的」「学び」「統合」が加わり、100年時代を自分らしく生きるための力になりました。つまりこの力は幼稚園から老人会まで、生きる上で人と関わるために必要な能力ということで提唱されています。

うつや大人の発達障がいで生きづらさを抱えている人は、幼稚園から対人関係でつまずいている人が多くみられます。他者との円滑な関わり方・距離の取り方を知らずに成長し、働いたときにその影響が出てうつや発達障がいと診断されているのかもしれません。社会人基礎力を学ぶことで、自分に足りなかったピースを見つけて、今からでもそれを取り入れることで、これからの人生で困ることを減らしていってほしいという思いがあります。

えさかでは社会人基礎力の3つの能力を1か月に1つずつ学びます。3か月で3つの能力を万遍なく学び取り入れることができるため、暫定期間+3か月で社会復帰が目指せる仕組みになっています。

先月の訓練の様子

今月は集合プログラム「ソーシャルスキルトレーニング~生活スキルを高めよう~」についてご紹介します!家に帰って家事をする余力がなかったり、やる気がかかるまでに時間がかかってしまう人が多いみたいです。出来ない理由は家事の仕方を知らないからじゃないんですよね。なぜ出来なくなってしまうか原因を探すことが、安定した生活へのカギになってくることを学びました。

イベントのアンケートをご紹介

今回は4/10の社会人基礎力講座「主体性」のアンケートです♪

  • 目的・目標に向かって成果をともなう行動をする。得意なことで役割分担を!
  • 主体性についてイメージできた。自分が行動を変える必要性を改めて確認できた
  • 同じ状況は二度とない、常に変化していくから主体性が必要
  • まずはやりたい事とできる事でイヤイヤやっている事を分ける
  • 自分で決めた目的・目標に向かって主体的に仕事をすれば、足し算になって仕事は成果が出ていく

6月のイベント

  • 6月9日(水)10:00-12:00 事業所見学会
  • 6月12日(土)10:00-12:00 社会人基礎力講座「実行力」
  • 6月16日(水)13:00-15:00 自立なんでも相談会
  • 6月23日(水)18:30-20:30 座談会